楡林（Yulin）は、陝西省の北部、陝北地域の中心都市です。地理的には、モウス砂漠と黄土高原の交差点に位置し、漢族とモンゴル族が長い歴史の中で数え切れない争いをおこなってきた歴史ある地域です。その名残として世界に知られる有名な万里の長城が市内を走り、悠久の歴史を物語っています。黄河流域の農耕民族と北方の遊牧民族の交差点として発達した楡林には非常に独特な文化や建築物が現在も残っています。明・清代の古代城壁、古代建築、古代町、四合院、烽火台、チンギスハン陵、红石峡また西北最大の道教寺建築など多くの歴史的建築物が現存し、歴史ある雰囲気を残しています。出土品も多く、その歴史的価値が認められ、国務院より歴史文化重要区に加えられています。

楡林の今

現在楡林は西部大開発の影響もあり、地域全体が活気化しています。80年代に石炭をはじめとする豊富な地下資源が発見され、中国の重要なエネルギー基地として認識されるようになりました。一部では「中国のクウェート」とも言われています。順調な経済発展により、楡林は２０００年に「市」に昇格しました。そして、楡林は陝西省で西安に次ぐ第二の都市となろうとしています。

このような急速な経済的発展を遂げている一方、楡林にはまだ過去ののんびりとした雰囲気も残っています。２１世紀を全力で駆け抜けようとしている楡林には私たちの忘れかけている何かがあり、それをきっと皆さんは感じることができるでしょう。

文化

楡林はその地理的影響により長く辺境の地であり、中央とは雰囲気を異にするこの地方独自の文化が大いに発達しました。切絵、民謡（特に信天遊）また腰に結ぶ小太鼓など、大地とともに生きる人びとの生き様をこれら民間芸術は体現しています。

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気候

楡林中心部の標高は１０００メートルほどあり、また内陸部に位置することから夏は湿気も少なくカラッとした日が続き、沿岸部に比べ非常に過ごしやすいです。冬は寒さが厳しい時期もありますが、晴天が続くため、極寒とはほど遠く、冬の寒さも楽しむことができます。